2009年4月11日 (土)

最近の読書。

ここのところ、読書がオモシロイ。
基本的には本は嫌いではない。わたしの視力が悪い理由は、幼児の頃からの絵本好きが原因なんです。話はずれますが、わたしが一番好きだった絵本は、『きんいろきつねのきんたちゃん』。『シナの五人きょうだい』とかも好きでした。電気スタンドもない薄暗い部屋で、裸電球の下、必死にくらいついて読んでいた記憶があります。
最近の読書は、なんだか、ちょっと今までの感覚とは違います。今までは、単純に『面白そうだ』と思って、ただ『楽しむ』、というところが多かったのですが、最近は、どうも、いつのまにか、読んだものに対して『身になる』という受け方をするのです。

で、最近は歴史ものにひっぱられてます。
もちろんこれまでも三国志、塩野七生のイタリア歴史ものなどは好きで読んでいました。今夢中なのは、日本史。以前は全然観てなかったNHK大河ドラマを観るようになったのもその影響かしら。
吉川英治の『新・平家物語』。ただいま4巻を読んでいます。全16巻だったかな。読めるかな…って思っていたんですが、下呂に来て2ヶ月くらいで4巻目。案外いいペース。寝る前に本を開いてしまうと、ついつい読んでしまう。この時代の登場人物、正直なところ、源頼朝と平清盛、あとは怖い崇徳天皇くらいしか知らなかったけれど、魅力的な登場人物が次から次へと現れて、飽きないんですな。それに、法然や文覚、西行法師という有名人が時折現れたり、かと思うと麻鳥と蓬子のようないわゆる平民のサイドストーリーなんかもある。日本史からっきしダメなわたしでしたが、こうやって読んでいたら歴史に強くなりそうな気がしてきます。

そういえばそろそろ義経が出てくるころです。
義経といえば、今、同時進行で読んでいるのが司馬遼太郎の『義経』上下巻の上巻。やはり作家が違うと登場人物のキャラクターも微妙に違う。吉川英治の清盛像と、司馬遼太郎のそれとはまたちょっと違います。そういうところを比較しながら読むのもまた楽しいですね。
義経といえば…『滝沢演舞場』ですねえ。昨年観た、滝沢さんの見事な雨中の殺陣、あれはすばらしかったですなあ。

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2008年8月17日 (日)

休日その5。ハリーポッター最終巻。

1日半で読み終えてしまいました。
なんだかとってももったいない気分ではあるけれど、とうとう完結してしまいましたね。
嬉しくもあり、悲しくもあり。いつかは終わりがあるものだけれど…。
『指輪物語』最終巻でも、こんな感覚がありましたねえ。『ゲド』の第5巻もそうかしら。

多彩な登場人物を、ほぼ見事に描ききったというところが凄い。
膨らみすぎた人物相関図を、きっちりまとめあげている。ファンタジーは、『これもできるあれもできる』的な逃げ道があって、結果、末広がりな、見えにくい状況になりがちですけれど、そんなことはまったくありませんでした。
それから、ほぼ全編にわたってはられた伏線がひもとかれる瞬間があるんですね…これでもか、これでもかとシリーズ全般でやきもきさせた部分がついに最終巻で解き放たれるときが。同時に、逆に、これで全巻の物語がさらに強固な絆という名の紐でむすばれるわけです。
そして、また、最初から読みたい衝動に駆られてしまいました。

映画と同時進行に新刊が出版されるというこの方式も、斬新ですよね。
活字の上での新鮮な、できたての物語が、すぐに映像化されるという興奮もある。こういう感覚は、これまでのメディアにはあんまりないですよね。
それから、登場人物たちのリアルタイムな成長も楽しめる。
配役、いつか代わってしまうのかな…物語と現実とはまた違いますものね…。
そして、お互いが、切磋琢磨して作品を良くしているようなところも見えるような気がします。ローリングさんは、映画版をよくご覧になられるのかし ら。逆に見たらある意味のオリジナリティが失われる、そんなこわさがあったりして。それはよく存じ上げませんが、わたしの感想としては、この方法はとても おもしろいと思いました。
ラストまで、スクリーンに通い続けますよ。

エピローグは、まさに、ローリングさんの、登場人物に対する愛情の結晶といってもいい展開になっていると思います。なんだか、体のどこかがくす ぐったくなるような、まさに絵に描いたかのような展開ですが、おもわずにっこりしてしまうのは、やはり、わたしもこの物語にどっぷり浸かった1人だからか な、と思いました。欲を言えば、もう少し、ハリーの、もっと直接的な恋物語を描いてほしかったかな、と思うけど。でも、ロンとハーマイオニーに対照的にし てあると考えれば、いいのかしらね。

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2008年5月22日 (木)

関ヶ原下巻。

司馬遼太郎さんの著作。
モスにて、昼食がてら、映画開始前の時間つぶしに読んでいたら、ラストまで読んでしまいました。
『読み終わってしまったのがもったいない』
こんな感想です。
そうそう、モスの新しいバーガー、『フィッシュマリネバーガー』は、めったにファストフード行かないわたしが食べてもおいしいと思いました。

話を戻して。
この作品は、上中下巻と、けっこう長いです。
そして、登場人物も結構多い。ややもすると、『この人誰だろう?』なんてことも。とくに、日本史に疎いわたしにとってはかなり大変かしら、なんて思いましたが、そんな心配は無用でした。
ま、疎いとはいえ、いちおう男の子ですから、『織田信長』や『秀吉』やらはそれなりに知ってはいましたし、『信長の野望』なんてゲームにも一時期ハマってましたから。
とにかく、3冊、あっという間に読んでしまいました。特に、この下巻は、3日と持ちませんでした。

戦国時代の終焉に近いだけに、晴れ間の夜のごとく将星がきらめいています。
それぞれにちゃんと輝きを加えているから司馬さんはとても素敵です。しかも、大名に仕えていた馬とりのような小姓にもちゃんと見せ場がある。
やっぱりクライマックスの大谷吉継にはほろりときました。まさに武士道。
島左近。『武士道とは死ぬことと見つけたり』まさにそれを地でいく最後。でも、両雄、確かにカッコいいのですが、カッコ良すぎです。神懸かりですな。
人間的だというならば、やっぱり小早川秀秋。現代人にもかなり通じるところがあります。常に迷い尽くして、結果愚かしいところがたいへん人間味あふれてる。

武士の生き様というのは、どこかやっぱり共感してしまいます。
中世の歴史物、わたしは好きな方ですが、西洋の騎士道よりもすんなり入ってくる。
DNAですかね。
日本人に生まれてよかったですわ。
もちろん、司馬遼太郎さんの文章の明快さもあります。それが多分かな。
最近、翻訳物しか読んでないからというのもあるでしょう。
やっぱり、言語が違うものを訳するのは基本的に無理があるんでしょうな。言葉だけ変換しても、その裏に隠されたサブテキストのようなものである国の精神とか、宗教とか、歴史とかは翻訳できない。それは、読み手が担う翻訳ですよね。

よく、時代物を読んでいると、
『ああ、自分はこのタイプかな』と思うときがあります。
たぶん、わたしは石田三成系。
策に溺れるタイプだな。それなのに、妙に情にもろくて。破滅派。
ま、あそこまでガンコではありませんがね。

この物語の中で、終始好きだったのは黒田如水。
司馬遼太郎さんも、この方が好きだったのかな。
エピローグに、この人が登場していた点もそう思わせます。
今度は、『播磨灘物語』を読んでみるかね。

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2008年2月 5日 (火)

戦記物。

我が家の読書は、只今、関ヶ原と、三国志で占められています。

かみさんと交代で読んでいるのが司馬遼太郎の『関ヶ原』全3巻。
やっとこさかみさんが下巻を読み終え、待ちわびたわたしの番に。関ヶ原の合戦はそこにたどりつくまでの政戦がまた面白いですね。三成につくか家康につくか。司馬さんの文章は、とてもおもしろくて飽きがきません。なぜでしょうかねえ。

もう1シリーズは、吉川英治の『三国志』全8巻。
これはもっと関ヶ原よりもスケールが大きくてしかもまさに群雄割拠、登場武将数も半端ではありません。
学生の頃一度読んで、最近きっかけがあってまた読みはじめたらまた面白い。1月半ばから読み始めて、最近第4巻にてをつけました。
あらためて読んでみると、やっぱり劉備ってお人好しなだけとあらためて思いますなあ。張飛もどうも呂布よりも知恵がないような気もするし。となると、やっぱり関羽がいなければどうしようもなかったのでは、と思ったり。

ところでこの三国志、いろいろな関連著作があるんですがが、けっこう好きなのは、諸葛亮が五丈原で勝つという大胆な構想の『反三国志』です。それから、五斗米道の頭首、張魯を中心に話が進む、陳舜臣作の『秘本三国志』もなかなか面白いですよ。

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2007年7月12日 (木)

続・泥流地帯。

ついに、読み終わりました。

昨晩、深夜まで200ページを一気読みしてしまいました。
以前も書きましたが、わたしには年子の弟がおります。兄弟の良さをあらためて思います。
この作品も、それから、どの三浦綾子作品もそうですが、たいへん勇気づけられます。読み終わった後はそれがどんなに悲劇であってもどこか清涼感と白色の正義感に満たされます。
主人公たちは、だれもかれもまず例外なく尋常ではない困難に相対しなくてははならない運命を持っているんですが、かれらはそれを『大変なこと』ではなくて、『立ち向かうべきこと』として真摯といっていいほどの姿で克服していくんです。

特に、この作品のラストはとても印象的です。主人公たちが2巻続けて受けつづけた苦難がようやく明るい兆しを見せるんですが、それはもしかすると、かれらの本当の苦難の始まりともとれるんです。稲は実ったけれど、福ちゃんは自由になれそうだけれど、拓ちゃんはその足だけれどそのあとまたどうなるのかわからない。でも、かれらならばがんばれそうだな、そんな気がして安心して本を閉じられました。

辛いこともしっかり受け止め、自分の一部としてしまうかれらに見習って、わたしもこの先生きていこうかなとあらためて思わされました。
名作だと思います。
泥流地帯 (続) (新潮文庫)

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2007年5月29日 (火)

最近熱中漫画。

浦沢直樹作品。

『このツアー中に読みたいのう』
と、後輩に言ったら、なんと全巻持ってきてくれたのです(ありがたや)。
『YAWARA』、『20世紀少年』、の3作品です。全巻ですから半端な数じゃありません。ですから、このツアー中は暇つぶしができるなあと思っていたのですが。
あまり読むのが速すぎて、行きの2、3日で完読してしまいました。

『YAWARA』は、どちらかというとアニメのほうでばっかり観ていたので、新鮮でした。『20世紀少年』は、なかなか面白いですね〜。でも、17、8巻あたりからちょっと繰り返しっぽくなっていて、序盤の謎解きが少し薄くなってきたのは残念かしら。『PLUTO』も、面白い。こんなアトムもあっていいな。

漫画は、読み始めると止まりません。
かつて、わたしは『視力回復センター』というところに通っていました(今もあるのかしら)。そこのロビーには漫画喫茶のように膨大な漫画が並んでおりました。
『このせまりくる欲望を克服することが大事です』
な〜んて、本棚脇の壁に張り紙してありましたが、あんまり気にしていませんでしたね。しかも、そこに通っていた記憶は、『銀河鉄道999』の記憶のほうが大きすぎて、どんなレッスンをしていたかはまったく憶えておりません。

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2007年5月13日 (日)

泥流地帯。

三浦綾子さんの作品です。

仕事の合間、寝る前の数十分と、ちょっとずつ読んで、やっとこさ読み終えました。
終盤前まで、一言でいえば、とても甘酸っぱい香りに満ちてましたね。
それは、いわば自分の幼いころの記憶のにおいです。
ちなみに物語は、大正時代の北海道、本州から入植してきた人々の話。もちろん、昭和40年代後半の生まれのわたしには釣り合うべくもない立派な登場人物たちです。それでも、小学校時代の思い出にかぶって、思わずにこっとしたり、じわっとしたりする部分がありまして、とても楽しく読めました。
そう、終盤までは。

ウチも、兄弟2人、妹1人だったので、拓一、耕作と良子の仲の良さにちょっとオーバーラップしました。大人に、『これはわるいことだからやめなさい』と言われて、『どうしてそうなんだろうか』、よく疑問に思ってましたね。
それにしても、この物語、この兄弟の生きざま中心にずうっと続いて行くので、『なんでこのタイトルなんだろう』という疑問も持ちつつ、まあ、でもいい話だな、と思いながら読んでいました。
あの、ラスト50ページほどの前まで。

突然、小説もあと数十ページで終わりかというあたりで十勝岳が噴火してから、一気に小説の色が変わります。これまで読み進めてきた登場人物たちがどんどん泥流にのまれていきます。自然の恐ろしさ、しょせん人間など小さいものだと思わされました。
涙が止まりませんでした。
このあと、拓一と耕作はどうするんだろう?
お母さんと無事に会えるんだろうか。

すぐにでも『続・泥流地帯』読みます。
泥流地帯 (続)

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2007年2月12日 (月)

氷点(下)。

結局、読み終わってしまいました。

時計を見ると、深夜1時。熱中していると、時間を忘れてしまいますねえ。終盤の約150ページ、超特急でした。
もっとも大きく、もっとも重い秘密が暴露されてしまうのがあんなにラスト近くだとは思わず、それも一気に読んでしまった理由かな。原罪という言葉、キリスト教からきていたのですね。
主要な登場人物たちが、それぞれ原罪の群像となり、どんどんそれがいろいろな色彩に移り変わっていく様子、手に汗にぎり、息もつめながら読み進めていきました。
終わり方がすこしだけ救済を感じてホッとしています。あれで亡くなってしまったら、とてもイヤーな読後感で一杯だったでしょう。ほんとうはめでたしめでたしじゃないんですけれど、とりあえずまだ先は見えるな、暗闇にろうそくはともったかしら、という感じです。

続編があるんですね。『続氷点』。すぐ読みたい。

でも、次は『泥流地帯』を読もうと、もう買ってしまいました。

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2007年2月11日 (日)

氷点(上)。

怖いほどタイトルにぴったりの上巻でした。
今更説明することもないと思いますが、三浦綾子さんの代表作といってもいい作品ですよね。有名作品ですけれど、わたしは読んだことがなかったんです。国内の作家からしばらく遠ざかっていたということもあります。でも、名作はやはり名作ですね。もっと読まないといけないな、と実感し、同時に、読書欲もアップしました。

まだこれから下巻があるので、あんまり詳しい感想は書けないのだけれど。
人間のいろいろな影の面が登場人物たちを際立たせています。不思議とドロドロした感じがしないのは、やはり北の大地が舞台だからでしょうか、時おり差し込まれる季節感が人間の葛藤など意に介しないかのごとくストーリー全体にあみこまれているように感じました。

『汝の敵を愛せよ』という言葉がキーポイントになるんだけれど、まあ思いもしない言葉です。随所に現れるこの言葉、聖書の言葉が元なんですが、たった11字の言葉のなんと分厚いことか。言葉の持つ力が弱まっているといわれている今日この頃ですけれど、今あらためて言葉の持つ力、見直さなくちゃいけないなと思います。

このツアー中に下巻も読み終えそうだな。
ちなみに、もう下巻、3分の1読み終えてます。

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2007年1月24日 (水)

細川ガラシャ夫人(下)。

ついに読み終わりました。
凄絶な終章でしたね。

『塩狩峠』から引き続きこれを読んだのも、なんだか不思議な出会いのような気がして神妙な気持ちです。ある部分で、三浦綾子の作品には『キリスト教の伝道書日本版』といったような側面があるような気がします。はっきり言って、聖書は知識として読んでみたいとは思うけれどなかなか手にしようとは思いません。分厚いし、宗教に対する姿勢が私には希薄だと思うからです。
でも、こういう物語を通じてならとてもわかりやすい。しかも、参考にしたい考え方もある。例えば、『辛さを喜ばしいことと思う』というところは、プラス思考ってことだし、大いに実践したいなあと思います。

こういう『歴史小説』は、最近ドラマや小説で同時代のものを読み見しているということもあるのですけれど、いくつかのポイントがさらに面白みを増長してると思います。
まず、史実の多面性。もちろん、ヨノナカのこと全てが多面的です。まあ基本的に3次元ですから当然かもしれませんが。歴史の史実。メインとなる人物が違うことでまったく違う描き方がある。合戦の勝ち方負け方で違います。このところ、大分視点が変わったのはやはり明智光秀です。

それから記述される歴史家さんの多面性。記録という行為もなかなか意味を固定し得ないけれども、やはり作家の私感が文間ににじみ出てくるのでは。そして、『紙に記す』ことでここでは一つの面になるけれども『読者』はそれをさらに多面化する。
小説家は一種のその『読者』かもしれませんよね、ある意味で。

作家ではないけれど、歴史の教科書なんか、以前はそうは思わなかったけれど、星の数ほどもある過去の人物の中から誰をピックアップするかで大人になってからの視野が全然違いますよね。最近教科書の善し悪しが問われているのも当然だと思います。

まあいろいろ書きましたけれど、いろんな楽しみがあるということで。

それにしても、細川忠興って方は男として惚れます。不器用だけれど一途に妻を愛する。愛し方には賛否両論あるとは思うけれど、このご夫婦、非業の別れではあったれど、とても充実した生涯をそれぞれおくられたのではないでしょうか。

余談ですが、かみさんの田舎の熊本は細川さまのお膝元です。
かみさんは、細川よりは加藤派(清正)だそうです。

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2007年1月19日 (金)

細川ガラシャ夫人(上)。

三浦綾子3冊目です。

ここのところ、朝の食後は読書の時間です。
療養開始時にもてあそんでいた時間も、ひと月たってようやくコントロールされ始めたかな。でも、もうすぐ復帰と考えると、嬉しいやら嬉しくないやら…。

この本を買ってきたのはかみさんです。
ちょっと前の『功名が辻』で登場したのもあって、注目リストになったみたい。本屋さんで見つけたとたんに上下巻まとめて買ってきたそうな。

歴史物って、作家によって全然違う面から書かれているから面白いです。歴史の教科書とも違う。例えば本題とは関係ありませんけれど、夫人の父である明智光秀。ここ1、2年でこの方の反逆者というイメージがだいぶ変わりつつあります。風雅で思慮分別のある人だなあと。
さらに、女性の描く歴史絵巻もまたわたしには目新しい。ちょっと違うけれど塩野七生さんも最近よく読みます。

上巻は、本能寺のちょっと前で終わるんですが、親子である2人、つまり光秀の心の水面下に潜む信長への意識の急速な変化、それから後にガラシャになる玉子の心にうねるヨノナカへの際限ない疑念とキリスト教への興味とが対照的に描かれていてついつい読み進めてしまう。
その2人があるときは沿い進み、あるときは離れてしまう。
そこに伴侶となる細川忠興と、弟興元。
その旦那の素敵な一面も出てきて、男ながらにホレた部分もある。

この先悲劇になるとわかっていながら読む辛さもあります。この親子は最終的にはお互い協調するのか。キリスト教に至る経緯は。
気になる下巻です。

さて、読むべ。

細川ガラシャ夫人〈上巻〉

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2007年1月16日 (火)

道ありき。

三浦綾子さん、2冊目です。

今朝、かみさんが6時出だったので、そのまま送り出してそのあと読み始め、残り半分を一気に読み終えてしまいました。気づくと、読み始め、うっすらしていた窓の明かりがさんさんとした陽光に変わっていました。
こういう状態だからかもしれません、相変わらず涙腺がもろいですねえ。
ちなみに、頬骨骨折が治癒していない時期は涙を流すのがちょっと辛かった。なんだか、涙の流れる位置が変わったからか知りませんが非常に右目にしみて開けていられない程でした。今はだから、安心して涙を流してます。

不思議なもんで、文学って、読むそのときそのときにある状態とか、考え方にオーバーラップしてくるんですよね。
出会いの妙、とでも言いましょうか。
今回の『道ありき』は、三浦綾子さんの自伝です。3部あるうちの第1部、青春編となってます。いやあ、良かった。つたない感想ですが。『塩狩峠』を夢中で読み終えたわたしですが、多分、三浦さんの筆致は自分にあっているというのでしょうか、読みやすいです。

おそらく、わたしは少なからずもう1、2度この作品を読むだろうな、と思います。ところどころにある歌や、聖書の言葉、三浦さんのココロのうつろいに現れる文章が、まるでちりばめられた宝石のようです。まぶしすぎて、わたしの読書力の眼鏡ではとても鑑定できません。
とても暗い時代の、辛い経験の物語ですが、洗われます。(現れる)と言い換えてもいい。わたしはクリスチャンではないし、クリスチャンになる予定もないけれど、この作品はよい出会いとして本棚にいつまでも置いておきたいですね。

腕が完治したら、第2部にも挑戦してみようかな。

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2007年1月12日 (金)

カフカ。

自宅療養読書パート1。
徐々に、右手の人差し指でページがめくれるようになって来たので嬉しくなってきました。それまでは本を机において、左手1本だけで読んでいた。ちなみにキーボードは勿論左手しか使えませんから、『ぱ』を打つときは大変です。

話がそれました。
『変身』で高校時代に衝撃を受けて以来、久しぶりに読みました。今回は短編集に挑戦。今読んでみると、『あれ、こんなに面白かったかしら』という感想。
なんだかおとぎ話みたいです。わけわからない話もあるけれどそれなりに楽しめる。社会風刺ともとれるのかなと思うけれどなんだかヨーロッパの不可解系ホラー映画のようにも思える。『多分こういうことなのだろうな』程度で楽しく読むのが関の山かしら。

『判決』という短編は、結婚を前にした青年が父との言い合いのあげく自殺してしまう(んだろうな)というあらすじだけど、むか〜し六本木にあったシネヴィヴィアン六本木で観た『PARIS VU PAR...』っていうオムニバス映画の中の第2話かな、あのラストシーンを思い出しました(といってもあんまり分かる人いないですよねたぶん)。DVD出てますよ。確か第4話だったかな、ゴダールが監督してます。

わたしはあとがきから読むクセがあります。特に作家が過去の人だとなおのこと。その人となりや時代背景がわかるので最低限のバックグラウンドを得て読書に挑めるからです。それによると、カフカは友人に、亡くなる前に自分の作品を全て処分するように、とお願いしていたそうなんですね。自分の作品が世に出ないように。でも、幸か不幸かこうやって世に出て、日本人にまで読まれている。
面白いもんですね。

なんだか大分感想から離れてしまいましたが、とにかくいろんな意味で楽しめます。今度は長編の『城』にチャレンジしてみようかねえ 
  パリところどころカフカ短篇集  

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2007年1月10日 (水)

塩狩峠。

入院読書パート3。
三浦綾子さんの小説です。
かみさんが好きで、何冊か持っていたものの中からチョイスしてもらって。
『氷点』しか知りませんし、実は初読み。

いい作品でしたね。
わたしは宗教に興味はありますが、特に信仰はありません。ですからキリスト教徒では勿論ありませんけれどもとても良かった。5時間くらいで読み終えてしまいました。終盤、展開が悲劇的になる前触れで徐々に涙腺がゆるくなってきてしまい、『もう消灯ですよ』と、カーテンをめくっておやすみのあいさつに来られた看護婦さんに涙目でおやすみなさいを返してしまいました。

消灯後、枕元のスタンドで30分程で読み終わりました。
その夜はなかなか眠れませんでしたねえ。

わたしは、幼少時、父の仕事の関係でよく北海道へ行ったのですけれど、雪の描写はとても懐かしく、嬉しく感じます。
実際は厳しくて辛いんですけどね。

そうそう、この作品、実話をもとにされているようです。

塩狩峠

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2007年1月 9日 (火)

錦繍。

入院読書パート2。
かみさんの友人のおすすめだそうで。宮本輝の小説です。
このかたの小説は、『泥の河』だけ読んだことがあります。とても瑞々しい文章で、内容はちょっと辛いものだったと思うのですがとても清々しく読めたことをおぼえています。
さて、この作品、男女間の手紙のやりとりのみでストーリーが展開するのだけれど、その手紙だけでそれ以外の普段の生活や思いのようなものもイメージできてしまう。小説の表現はいろいろあるけれど、こんな表現も魅力的ですね。しかも文体や使用される言葉、固有名詞なんかで時代までわかってしまいます。
手紙、最近はメールばっかりですから滅多に書きませんけど、旅先から絵はがきなんかは送ります。長い手紙は書いたことありますし、もらったこともあります。手紙を待つのは楽しいですよね。ダイレクトメールや請求書の束にまじって小粋な切手がちらっと見えるあの嬉しさです。ちなみに、わたし、便せんで10枚のラブレター、もらったことありますよ。昔のことですけれどね。

お手紙といえば、ローベルさんのカエル君の話。

錦繍

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犬神家の一族。

映画ではありません。
原作本です。手術から4日後、後輩の女の子が持ってきてくれたもので、右目はまだ半分くらいしか開けなかった時期だったんですけれど、あんまり面白くて2日で読んでしまいました。入院中の暇つぶしです。
金田一シリーズは大好きですねえ。確か、TVや映画で金田一役は何人かいらっしゃいますよね。今は稲垣君ですが、かつては片岡鶴太郎さん、石坂浩二さんといらっしゃいます。わたしはやっぱり古谷一行さんですなあ。原作の金田一像を一番うまく演じているんじゃないでしょうかね。
さて、この話ですが、『本当にこんなことがあるのか?』というところをうまく書いているなあと本当に思います。実際、そういう偶然とかいったものがドラマとなるのだけれど、そこに強引さはあまり感じない。横溝さんの文章は読みやすいけれどどこかどっぷり浸かれる。展開は冷静で、ちゃんと読者の側に立って書いてあるなあと。

犬神家の一族

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2006年9月27日 (水)

ゲド戦記その2

はぁ、終わった。
ついに全巻読み終わりました。案外と満足だった自分にびっくりです。
『案外と』というのは、読んだ方ならどのあたりかお分かりかと思われます。

最終巻、ラスト、泣けました。というか、この物語、後半からは恋愛ものですよね。
しかも、熟年カップル。実際は、もっともっと以前から愛し合っていた二人だったのですけれど。
4巻を読んだとき、正直、『このあとどうなるんかなあ』と思ったけれど。見事に終止していると思います。4巻からのゲドはまさに目も当てられぬ部分もあって・・・でも言い方を変えれば、ゲドはすごい人間味のあるヒーローといえますかね。
外伝の冒頭の序文、ファンタジー好きには必読ですね。というか、そうでない方にもその部分は読んでほしいなあと思います。それだけ、世を暗示した鋭い言葉が書いてあると思います。




ゲド戦記別巻 ゲド戦記外伝


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2006年9月24日 (日)

ほんの整理。

大変です。
多趣味で知識を浅く広くがモットーのわたしとしては悩みのタネ。
『それならネットで十分じゃん』と言われる方もおられるが、ページをめくるときのあの期待感、素敵じゃないですか。
それに、ものとして残りますし。思い出深い本は、いつまでも手元に置きたいものですねえ。
で、始めることにする。

『これは、妖精もの』、『これは、和もの』、『これは、洋もの』
『これは戯曲、これはマンガ、これは楽譜、これは映画、これは取説、これは辞書、・・・ムムム懐かしやTRPGのルールブック! ラヴクラフト! 訳の分からないカミュ、ゲーテだ! サキ短編、カフカ、泉鏡花・・・ぬぬGORO? ムーだ?』
片付けているうちに、気がつくとページを開いて読んでいる。そうしてその日はあきらめるのである。
本の整理のはずが、ほんの整理で終わってしまう休日のひととき。

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2006年9月21日 (木)

ゲド戦記。

最近(でもないけど)するようになったことの一つ。
映画を観終わってから、その原作を読むことです。
最近では、指輪物語、ハウル、ナルニア。スターウォーズなんかも、いわゆるサイドストーリーを読みあさりました。
ちょっと前だとグリーンマイル、アンジェラの灰、イングリッシュペイシェントの原作なんかも記憶にあります。
ハリーポッターは、観る前に読んでますね。でも、観終わったあとにも読む。マニアですね。

それで、ゲド戦記。こちらも映画を観たあとに早速3巻まで購入、1週間で読破でした。
はっきり言って、原作の方が深淵で楽しいですね。海が中心の世界観というのも素敵。通り名と真の名前があるという、その名前や言葉に対する考え方は日本の言霊に通じる部分があって思わずうなずいてしまいます。
好みはやはり1巻。でも、今読んでる最終巻もなかなか思慮深くていい。ダンブルドアみたいに大魔法使いにならず、年老いたら魔法の力もなくなって(本当は違うんですが)田舎に隠居している。畑を耕し、ヤギを飼って、寒い夜は寒さに震えてたり。妙に人間味があって好きですね。
テナーもアレンも、映画とはまったく違います。でも、とくにどちらがよいという訳ではなく、どちらも楽しめます。
ハウルだと、カルシファーがもっと分かりやすいし。

ちなみにかみさんは、テナーの過去が描かれる2巻がすきだそうな。


ゲド戦記 1 影との戦い

 

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2006年4月 8日 (土)

読書中1。

『スカラ座の名歌手たち〜30人の語る成功への道』
音楽之友社 レンツォ・アッレークリ著

一晩、眠る前にふたりずつ読んでます。
非常に勇気づけらます。戦時,強制収容所に連れて行かれた方、お金がなくて、自転車で劇場まで半日かけて移動して本番の舞台に立たれた方、本番中にトマトを投げられても最後まで歌い通した方等々・・・。
大歌手といわれる方々もこんな苦労や悩みを抱えていたのかと思うと、自分はまだマシだなあ、と思うわけです。
日々、修練!

『トスカ』のスカルピア役、いいですねえ。
あのドロドロした悪役、やってみたい。

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