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2009年8月23日 (日)

マクベス。

実は、わたしにとって、一番最初に目にしたシェイクスピア作品です。
それも、ちょっと変化球かしら。
『蜘蛛巣城』という映画です。黒澤明がマクベスを日本の武将に置き換えて作った作品。
これが、わたしにとってのシェイクスピア初体験でした。
冒頭の白髪の老婆の予言シーン、終盤の森のざわめき、山田五十鈴演じるマクベス夫人であるところの妻役の鬼気迫る演技。それから、ラスト付近、三船敏郎めがけて矢が次々に射かけられるシーンの、かれの目から目玉が転げ落ちそうな瞬間などなど、今思い返してもはっきりと記憶に残っております。ちなみに、この矢を射かけられるシーン、矢の名手が三船敏郎めがけて実際に矢を次々に放ったのだそうです。それにたいして三船敏郎は『俺を殺す気か!』と思わず怒鳴ったんだとか。

先日、『子どものためのシェイクスピア』のシリーズ、『マクベス』を観てきました。
横浜、関内ホールにて。
ここ2週間ほど、稽古ばかりで休みがなかったわたし、気分転換もかねて。

こちらのシリーズ、毎年夏期に上演していて、わたしはもう10年ほど観に来ています。
『子どものため…』などと書いていますが、もちろん大人でも楽しめる。舞台は、とても簡素で、椅子と机しかありません。それを組み合わせてさまざまなシーンを作り上げます。舞台転換にはハンドクラップを使ったり、息やスキャットを使ったり。
黒衣の俳優たちが現れ、それを脱ぐと、中世のきらびやかな衣装がぱっと現れ、それは物語の世界へ引き込む鍵のひとつになっています。
シェイクスピア作品の登場人物は、横文字の、しかも長い名前が多い(ドヌルベインやらボローニアスやらホレイショーやらギルデンスターンやらマーキューシオやらヘイスティングズやら…)。何度か繰り返して呼ぶシーンなどは、それを分かりやすくする、単調だけれど確実な方法だと思います。子どもたちにも分かりやすい。
だけれども、実は『観客に想像してもらう』部分が多い舞台だと思います。
舞台って、元をたどれば『何もない』んですよね。
日本の『能』がいい例かと。

さて、この『マクベス』。
この作品に限らず、悲劇は、子どもたちの目にどう読み解かれるか。
おもに、子どもたちに見せる機会が多いわたしにとっては、そっちのほうがどちらかというと興味津々。客席の半分は、小中学生で埋まっていました。
なかなかしっかり観ていましたね〜。
劇中には、たぶん、クッション的な効果をねらっているのでしょうが、コメディ要素が含まれるシーンなどもあります。
それも、子どもの集中を途切らせない工夫のひとつなのかしら。
それに、この『マクベス』は、シェイクスピア悲劇の中でも密度が濃いと思います。その濃密な中で、一組の夫婦の栄光と没落が描かれている。
そういう点では、息つく暇もないような作品ですしね。

こういう舞台を観ると、ますます創造意識が高まりますねえ。

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コメント

「ウイッシュリスト」「怪盗 金色仮面」「怪談 牡丹灯籠」と、連日人形劇を見歩きました。人形でやる意義を考えさせられます。
「子どものためのシエクスピア」の人間の芝居、観たくなりますネ。

投稿: さくま@夢屋 | 2009年8月24日 (月) 午前 08時51分

さくまさん。

最近、人形劇を観る機会があまりありません。
牡丹燈籠…三遊亭円朝ですね。まさに季節モノ。観たいですねえ~。

投稿: しゅう | 2009年8月25日 (火) 午後 06時00分

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