« さらに桜! 苗代桜。 | トップページ | 宇宙戦争。 »

2009年4月10日 (金)

わたしが・棄てた・女

なんだか不思議な物語でした。
先日、かみさんに会ったときに、
『読んで』
と言われ、新横浜→名古屋→下呂の電車の車内で、一気に読み終えてしまいました。
遠藤周作の小説を読むのは初めて。エッセイなどは読んだことがあるけれど。
もっと軽い作品かと思ったら、読後の余韻は重い悲壮感と少々の自己嫌悪につつまれました。日も暮れた下呂駅に降りたとたん、御殿場駅のホームにたたずむ森田ミツをふと思いました。

原作者がキリスト教に深い造詣をお持ちということで、伏線のように十字架が登場したり、シスターが看護師をしている療養所が場面としてあったりします。
何か、この雰囲気、どこかで読んだことがあるなと思っていたら、三浦綾子さんの小説をふと思い出しました。『道ありき』です。自伝的な作品ですが、本人が肺結核をわずらって、信仰に目覚めるあたり、ちょっと似ているような気がします。
三浦綾子さんといえば、『氷点』ですね。汝の敵を愛せよ、という象徴的な言葉が登場する。これも聖書の言葉ですね。
やはり、一度、聖書は読んでみるか…そんな軽い気持ちで読めるかどうかは不安だけれど。

話を戻します。
登場人物たち、皆、ある意味で、かたちや考え方は種々あれど、いい悪い関係なく意義ある生き方が出来ていたのではないだろうか、と思います。吉岡はワルい男だ!でも、かれはまるでその時代そのもの。単純にいいわるいで済むような考え方では読めないような気がします。
そうはいっても、悲劇におわる森田ミツの生涯はあまりにも象徴的で、辛かったです。せっかく、自分の居場所をみつけたと思ったら…。
でも、案外、人生そんなものかもね。

死ぬ間際でさえ自分を裏切らなかったその思いの強さ。
そういうところは、常にもっていたいものです。

|

« さらに桜! 苗代桜。 | トップページ | 宇宙戦争。 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: わたしが・棄てた・女:

« さらに桜! 苗代桜。 | トップページ | 宇宙戦争。 »