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2008年1月28日 (月)

風をみた少年。

過日、鑑賞してきました。

国立オリンピック記念青少年総合センタ—、カルチャー棟小ホールという、とても長い名称の場所です。
演じてくださるのは、劇団あとむさん。わたしの所属している事務所とはおつきあいの長い劇団のひとつです。
この劇団の特徴は、ご覧になっていただくとわかるのですが、とにかく大道具が少なく、細かな舞台美術もないというところです。すべて、俳優たちの 持つやわらかい棒や、ロープ、大小さまざまな布、簡便な人形をもちいてその物語の場所、風景、雰囲気を表現するのです。つまり、観ている側はかなりの想像 力を求められるということですね。まあ、基本的には舞台芸術というものはそういうものなのでしょうが。
究極的にいえば『能』や『狂言』みたいなものでしょうか。あっちのほうは、もっとそれが求められるのでしょうけれど。

さて、『風をみた少年』は、CWニコルさんの原作だそうです。わたしは読んだことがないので純粋にこの作品の感想だけ。

正直、久しぶりにおもしろい芝居を観たなあと思います。
作品自体はもう十数年の歳をとっており、落ち着きがある反面、俳優たちのエネルギーは若干弱かったかな、と思ったりもしましたが。
主人公の少年『あいつ』が、時分が壊してしまったイタチの屋根の平べったい石をさがしにいろんなところを冒険する…ストーリーを簡単にいえばこん な感じかしら。この『あいつ』君は、動物や植物や、氷河ともはなしができ、かれが『怖い視線』でものをみると、みられたものはこわれてしまうというすごい 力も持っているんです。その力を世界征服につかおうとする悪いヤツ、かれを仲間にしたクマの一族、それから原作者のニコルさんも登場して、ここまで書く と、なんとも破天荒な展開、わたしも最初は?と思いました。

が、ストーリーが進むにつれてどんどん引き込まれます。
最初はちいさな街角の物語だったのが、国、世界、種族、あの世から宇宙へ、そしてもっと原初の細胞のなかのミクロコスモスまで視野が広がり、気づいたときにはプロセニアムの枠からとうにはみ出してしまうような一大叙事詩へ。
全編2時間近かったですが、楽しませていただきました。

脱皮という言葉が出てきます。
人間は何度でも脱皮している、そう、主人公はニコルさんはじめ、観客によびかけます、知らない間に。でも、その脱皮の瞬間が自分ではっきりわかればとても世の中は楽しくなるのでは、とわたしなりに思いました。

この作品の演出家は、わたしにとって、敬愛するかたの一人でいらっしゃいますが、とにかく、観るものの心を裸にしてしまう、そんな思いにさせられてしまうのです。今回もまた『やられてしまった』とおもわず苦笑いです。
もう70を過ぎておられますが、いよいよお元気そうで、また次の作品に期待してしまいます。

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